
Ehime Renal Health Project
愛媛腎健プロジェクト
愛媛県(東予地区)の医師が中心となって立ち上げたCKD(DKDを含む)重症化予防を目指した研究会です。一般のかかりつけ医の先生方にCKD診療をより身近なものとして感じていただくために、様々な情報をご紹介するとともに、その実現のために腎機能(eGFR)の変化を「点」から「線」に変える独自の無償ツール eGFR NAVI(呼称、イージー・ナビ)を開発・公開しています。
東予地区=今治市・西条市・新居浜市・四国中央市。成人人口は松山市とほぼ同じ約40万人ですが、腎臓専門医は7人です。
Greetingごあいさつ
私は開業当時(約25年前)から、腎障害のある患者さんに1/Cr回帰直線を作成し、来院のたびにファイル名の中から患者さんのお名前を探しては手入力でCr値を足していくという作業を繰り返していました。100人を超えた頃には、目当てのファイルを見つけるだけでも一苦労という有様でした。
それでも続けてこられたのは、腎機能は「今日の1点」を漠然とみているだけでは評価出来ないこと、1/Cr直線は特に腎機能障害の初期の段階で有用な指標となることだったからです。それにもかかわらず、1/Cr直線は臨床の場からほぼ消滅してしまいました。
現在、検診や実臨床の場では、より精度の高いeGFRが利用されています。特にCKDに関する多くの大規模臨床試験では、eGFR回帰直線の傾き(eGFRスロープ)は、腎機能の将来を予測する重要な指標として扱われています。
eGFRが1/Crと同じ道をたどることのないようにするには、もっと簡単に、誰でも、しかも無料で解析出来るツールを作れないものか。そう考えて、愛媛大学医学部第2内科でご一緒した西田亙先生にご相談したのが、2025年6月のことです。当時、すでにいくつかの無料(一部、有料)のアプリが公開されていましたが、私にはどれもが日常診療に耐えうるものではなかったのです。西田先生に参考のためにとお渡ししたのは、私が手作りしたエクセルファイル一つでしたが、そこから誕生したのが eGFR NAVI(イージー・ナビ)でした。
CKD患者さんは今や成人の5人に1人という「国民病」の1つになっています。愛媛県の東予地区は、今治市・西条市・新居浜市・四国中央市の4市からなり、その成人人口は松山市とほぼ同じく40万人ですので、CKD患者さんは約8万人となります。それに対して、腎臓専門医は松山市でさえ20人ほどであり、東予地区では現在たったの7人です。
他の多くの地域でも同様でしょうが、CKD患者さんの多くは、腎臓専門医ではなく、かかりつけ医の先生方が診ていることになります。今後も、我々専門医へご紹介していただける前に、かかりつけ医の先生方に「できること」は決して少なくありません。愛媛腎健プロジェクト(略してERHP)は、その「できること」を具体化し、共有していくための研究会です。
どうぞ気軽にご利用いただき、忌憚のないご意見をいただければこの上ない幸せです。
2026年9月 吉日
ERHP 代表世話人
朝倉内科循環器科クリニック 院長 北見 裕
PurposeERHPの目的
愛媛腎健プロジェクト(ERHP)は、2つの柱を掲げています。
eGFR NAVI の普及と、腎機能プロットの自動化
eGFRは一点だけを見ても評価できません。時系列で並べ、回帰直線として傾き(eGFRスロープ)を捉えて初めて、腎予後の見通しが立ちます。しかし従来、そのグラフを作るには一人ひとり手入力するほかありませんでした。
eGFR NAVI は、外注検査会社や院内システムから得られる検査データを取り込み、カルテ番号ひとつで過去十数年分の腎機能推移を描き出します。無償で公開し、どの医療機関でもご利用いただけます。
一般臨床医のための CKD/DKD 診療指針の構築
慢性腎臓病の患者さんの多くは、かかりつけ医のもとで日常的に診療を受けています。腎臓専門医へ紹介する「前」に、かかりつけ医が何をどこまで行うべきか。ERHPは、症例検討を重ねながら、その具体的な道筋を示すことを目指しています。
ERHPは医師主導の非営利の研究会です。講演会の開催にあたっては製薬企業の協賛を受けていますが、eGFR NAVI の開発・提供は特定の企業と無関係に行われています。
Activitiesこれまでの活動
第3回 愛媛腎健プロジェクト(ERHP)in 新居浜・四国中央
− かかりつけ医のためのCKD診療を考える −
2026年10月28日(水)19:00〜20:20
リーガロイヤルホテル新居浜 2F「松の間」
講演❶19:00〜19:30座長:扇喜 真紀 先生
腎臓病を「点」ではなく「線」で診る − 経年的な腎機能変化から見えてくるもの −
莖田 昌敬 先生
講演❷19:30〜19:50座長:扇喜 真紀 先生
eGFR NAVI(イージー・ナビ)の開発とその特徴について
西田 亙 先生
Discussion19:50〜20:10座長:中村 達 先生
【テーマ】CKD症例を考える(イージー・ナビによる検討を含めて)
北見 裕 先生
扇喜 真紀 先生
Closing Remarks20:10〜20:20
髙田 康徳 先生
協賛:アストラゼネカ
第2回 ERHP in 西条
2026年6月24日(水)/西条市地域創生センター(旧ひうち会館)
座長・クロージング:莖田昌敬(愛媛大学)
症例提示:北見 裕、扇喜真紀
協賛:日本ベーリンガーインゲルハイム
第1回 ERHP in 今治 参加53名
2026年3月18日(水)/今治国際ホテル
基調講演:北見 裕「CKD診療とeGFRスロープ」
eGFR NAVI 紹介:西田 亙
症例検討:北見 裕、扇喜真紀(facilitator:髙田康徳/座長:大藏隆文)
クロージングリマークス:髙田康徳「尿検査の重要性」
協賛:アストラゼネカ/小野薬品工業
発足世話人会・記念講演会
2025年12月1日(月)/リーガロイヤルホテル新居浜
基調講演:髙田康徳(愛媛大学 糖尿病内科 教授)
この日、eGFR NAVI を初めて世話人にお披露目しました。
協賛:アストラゼネカ/小野薬品工業
History沿革
| 2025年6月 | 北見 裕(朝倉内科循環器科クリニック)が、自作のExcel版eGFR管理ツールをもとに西田 亙(にしだわたる糖尿病内科)へ開発を相談 |
|---|---|
| 2025年7月 | ブラウザ版プロトタイプが完成。北見が「eGFR NAVI」と命名 |
| 2025年8月 | 「愛媛腎健プロジェクト in 東予」として発足。世話人6名の体制が決まる |
| 2025年12月 | 発足世話人会・記念講演会(新居浜)。eGFR NAVI 初公開、サーバー常時稼働開始 |
| 2026年1月 | 会の目的を2本柱に整理。会則を制定 |
| 2026年3月 | 第1回 ERHP in 今治(参加53名)。eGFR NAVI を正式に発表 |
| 2026年6月 | アプリ版が完成。第2回 ERHP in 西条 |
| 2026年7月 | 病院での稼働第1号(放射線第一病院)。Windowsサーバー版・データベース解析機能を実装 |
| 2026年8月 | eGFR NAVI v1.0 公開。県内3病院で稼働開始 |
| 2026年9月 | erhp.org 開設。Web版・サーバー版デモを公開 |
| 2026年10月 | 第3回 ERHP in 新居浜・四国中央「かかりつけ医のためのCKD診療を考える」を予定 |
Members構成メンバー
| 役 | 氏名 | 所属 |
|---|---|---|
| 代表世話人 | 北見 裕 | 朝倉内科循環器科クリニック 院長 |
| 世話人 | 扇喜 真紀 | HITO病院 副院長・糖尿病内科部長 |
| 世話人 | 大藏 隆文 | 西条中央病院 院長 |
| 世話人 | 莖田 昌敬 | 愛媛大学医学部 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学 腎高血圧内科 特任講師 |
| 世話人 | 髙田 康徳 | 愛媛大学医学部 糖尿病内科学 教授 |
| 世話人 | 中村 達 | 住友別子病院 糖尿病内科部長 |
| 監事 | 西田 亙 | にしだわたる糖尿病内科 院長 |
腎機能の推移を一画面に
過去の検査データを取り込み、カルテ番号を入力するだけ。回帰直線・95%信頼区間・推定到達時期までを一度に描き出します。無償でご利用いただけます。
インストール不要のデモを2つ公開しています。Web版(v0.32)はブラウザで「デモデータ」を押すだけ。サーバー版は仮想患者300名・30年分のデモ用データベースを積んだ状態で、カルテ番号検索と「データベース解析」画面をそのままお試しいただけます。